2015年は全業種で「キュレーター時代」が到来。そこで分かれる儲かる人と損する人
キュレーションとは、博物館(美術館含む)、図書館、公文書館のような資料蓄積型文化施設において、施設の収集する資料に関する鑑定や研究を行い、学術的専門知識をもって業務の管理監督を行う専門職、管理職を指す。[/caption]スマートフォンやタブレットの普及に伴い、2014年に顕著な成長を示した「キュレーション・サービス」。
キュレーション・サービスと言えば「Gunosy」や「NewsPicks」などのニュース・アプリが主流ですが、
キュレーション・サービスの市場規模は、2012年度の約60億円から
2014年度には推計178億円と約3倍に急成長しています。
キュレーションとは、IT用語で「情報を収集しまとめること。または収集した情報を分類し、つなぎ合わせて新しい価値を創出すること」で、
キュレーションを行う人のことを「キュレーター」と言います。
今回は、この「キュレーター」の存在が、全業種で重要視されていくというお話です。
東京・神楽坂に日本初のキュレーション・ストアが誕生
「キュレーション・サービス」と言えば、
これまではIT業界にだけ普及しているサービスという印象がありましたが、
2014年10月、東京・神楽坂に “キュレーション・ストア”、「la kagu(ラカグ)」が誕生し話題となっています。
「la kagu」は、ファッションや生活雑貨、家具、カフェなどの「衣・食・住」の要素に、
ブックスペースやレクチャースペースを融合させ、
「衣食住+知」のライフスタイルを提案してくれるストアです。
例えば、1階の生活雑貨のコーナーでは、
人気スタイリストの岡尾美代子さんがキュレーターを担当し、
独自の目線で選ばれたアイテムが並びます。
ほかにもウィメンズファッションのコーナーには、
ユナイテッドアローズの元バイヤー、安藤桃代さんがキュレーターを担当するなど、
各カテゴリーに専門のキュレーターを配し、
“時代や流行に流されない本当に良いアイテム”を提案するのが同ストアのコンセプトとなっています。
全業種に広がる「キュレーション能力」の必要性
こうした動きは2015年、確実にどの業種にも波及してきます。
なぜなら、現代は最先端のIT企業から近所のラーメン屋さんに至るまで、
どんなビジネスでも「情報戦」に勝ったものだけが生き残ってきているからです。
つまり、
「どんないい商品でも、消費者に知られていなければ、存在しないのと同じ」という単純なマーケティング理論で、
原題では、
その商品の情報をいかに多くの人に、
いかに個々の消費者に正しく、
いかに心に響く形で伝えるかによって、
商売の成功が左右するということです。
ただただ、良い商品を並べているだけでは、だれも買ってくれないという当たり前のことから、
それをどのように伝えるかという「伝え方」が重要になっているのが、ここでいう「情報戦」という意味です。

一風堂シドニー店
海外第1号店に情報発信都市であるニューヨークを選んだ戦略を考えればよく分かるでしょう。
一風堂は、単純に市場規模だけを考えてニューヨークに進出したのではありません。
海外第1号店を出店した時から、おおよその世界進出が視野にあり、
海外で成功するための情報をキュレートできていたからこそ、ニューヨークに進出したのです。
キュレーターはその分野のプロとして、
最先端の情報を常に収集し、
独自の視点でそれをまとめ、編集し、
商品アイデアやサービス向上に落とし込むことができる人材です。
そのため、IT企業でも、ラーメン屋さんでも
こうしたキュレーション能力のある人材がいなければ、
これからの時代は利益を上げることは困難となるでしょう。
なぜなら、これを理解しているライバル企業は2015年を待たずして、すでに始めているからです。
そして、これから就職活動を考えている学生などは、いかに情報をキュレートできるのかが、面接で問われることになるでしょう。
たとえば、自身が目指す業界の将来について、情報を収集し、編集し、
独自の視点で現状から未来に対するプレゼンができ、実行可能できると思われる人だけが、
希望の会社に就職できるようになるでしょう。
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