テンプレート不要! 5分でひらめく企画書の書き方と考え方

僕がかつて某専門学校の広報担当をしていた頃の話ですが、

 

その専門学校では当時、年に1度、夏休みの進学決定時期のピークに合わせて、

 

テレビCMを制作して流すんですが、

 

毎回3社の広告代理店によるコンペでして、各社からオリエンとプレゼンを受けるんですね。

 

だいたい広告代理店のTVCMのプレゼンといったら、

3DCG映像を駆使したものを見せてきたり、

きっちりとした絵コンテを見せられたりと、

しっかりとしたプレゼン資料を見せてくれるわけですが、

 

その中の1社に、白紙に筆ペンで、キャッチコピーを書きなぐるだけの

ユニークなプレゼンをしてくる名物プランナーがいまして、

なぜか、今でもその人のプレゼンが一番印象に残っているんです。

 

もちろん、最終的には制作費やCMコンセプトなどが決定要素になるので、

プレゼン方法がユニークだからといって採用されるわけではないですが、

こうして何年経っても印象に残るプレゼンというのは、やはり良いプレゼンだったということが言えます。

 

だからこそ、本気で仕事を取りたいなら、

企画書というのが生命線になるということは、言うまでもありません。

 

が!

 

企画書を書くのが苦手だという人がとても多いんですね。

 

セールス・パーソンの人は特に企画書を書くことが多いかと思いますが、

 

企画書を書くのが下手ということは、「伝え方がまずい」=売れない営業員

 

ということになります。

 

ということで、アマゾンなんかで調べると、出るわ出るわ企画書のハウトゥー本の数々。

 

でもね、はっきり言って、そんなビジネス書なんか読んでる人は、

 

その時点で、他の人と同じような企画書しか書けないから、プレゼンでは勝てないですよ。

 

だって、みんなが読んでいるビジネス書を真似しているだけなんでしょ。

 

そのビジネス書が100点の書き方を教えても、

みんなが100点の企画書を書いてきたら、

0点と同じだもの。

 

そこで、

企画書を書くのが苦手だという人に向けて、

 

簡単で伝わりやすい企画書の書き方のヒントをここに記そうと思います。

 

あ、でもマニュアル的ではないですよ。

 

マニュアル的なものが欲しいと思ってこのブログを読んでいる人は、

どーぞ別のサイトに行ってください。

 

マニュアル人間にいい企画書は書けませんので。

 

さて、

まず、大前提として、

企画書に「書き方」などというのは存在しない

ということを肝に銘じてください。

 

  • 企画書はパワーポイントに沿ってこう書くべきだ
  • これまで我社では企画書はこう書いていた
  • 先輩の書いた企画書に加筆・修正をほどこした

とかに該当する人は、企画書は書かないほうがいいです。

後輩にプレゼンのチャンスを譲ってあげて下さいね。

 

企画書は、同様のプロジェクト、同様のクライアントであっても

毎回完全オリジナル

であるべきです。

 

書く人が代わればなおさらです。

逆にこれができれば、その時点で半分はクリアできていると思います。

 

だいたいダメな企画書というのは、自分(自社)の言いたいことを並べ立てているだけの企画書なので、

読ませたい!という意思が伝わってこないものがほとんどです。

もし、これまでの企画書の書き方でプレゼンに負け続けているのなら、

 

ノウハウやテクニックではなく、企画書を書く意識を変える必要があるのです。

そこで、毎回、必ず刷新するという姿勢を貫くことで、企画書を書く意味合いや意識をガラリと変え、

最終的に企画書を書く力を伸ばしていかなくてはなりません。

あなたが上司であるならば、部下にそう指示するべきです。

 

そして、企画書を書くというのは、なにも難しい作業ではないはずなのです。

書く内容については、事前に会議などをして決まっているのだから。

 

あとは、

読んだ人が、どうすればワクワク、ドキドキするのか?

もはや、それだけを考えて、

文章、写真、レイアウトを考えください。

 

ん? それが難しいから悩んでいるって?

 

それは、実はカンタンなことなんです。

いかに

しゃらくさいビジネス・マインドを捨てられるか

にかかっているのです。

 

「しゃらくさい」

とは、形や成りばかりを気にして、かっこつけただけの中身の薄い

非本質的な、という意味です。

 

いいですか?

きれいにレイアウトされようが、きっちりとしたビジネス用語で固めようが、

相手に伝わらなければ、まったく意味がないですよね?

 

あなたが渡そうとしているお客さんは、あなたの会社の体裁なんてのはどうでもいいんです。

 

そんなことより、相手によく伝わり、相手がドキドキ、ワクワクするような企画書であることが一番重要なんです。

 

逆にそれが伝わるならば、ティッシュペーパーに書こうが、

紙飛行機にして配ろうが、本質的には問題ないんです。

 

ですから、企画書の作成には、文言ひとつとっても、

この言葉は相手をワクワクさせるだろうか?という気持ちで書かなければいけないんです。

 

例えば、

あなたはビール会社の営業マンで、卸問屋に新商品を仕入れてもらいたい状況だったとします。

コーヒー豆の香りがするビールなんて、この世の中にあったんだ!?
「ブラック・ジラフ」新発売!

新商品は仮に

コーヒー豆のアロマを生かした新感覚ビール「ブラック・ジラフ」

とします。
(※オーストラリアに実際にある商品ですが)

さて、

この商品を売るため、あなたが企画書を書くとして、

その企画書のカバー(表紙)のタイトルに、よくありがちなこんなタイトル↓

新商品「ブラック・ジラフ」のご提案

を書いてしまうようだったら、、、

はっきり言って、終わってます。

なんで、お客さんが共感してくれるであろう、

コーヒー豆の香りがするビールなんて、この世の中にあったんだ!?

というくらいの文言をダイレクトにタイトルにしないのでしょうか。

それができないのは、あなたが本気でお客さんをワクワクさせようとしていないからです。

そして、これが理解できた人は、

あとは「三方良し」の理論で、

  • 買い手(卸問屋)のメリット
  • 売り手(自社)のメリット
  • 社会(消費者)のメリット

を説明してあげればいいんです。

 

なにも、おべんちゃらを言うように

買い手のメリットばかりを並べ立てる必要はありません。

 

きちんと、

自分たちにもメリットがあり、

社会にもメリットがあるということを

伝えるほうがよっぽど誠実なんです。

 

ビジネスは「関係性」だけで成り立つのだから。

 

そして、

 

商品の特徴やスペック、見所などはできるだけ後回しにしてください。

 

あなたの商品やサービスは、

買い手がワクワク、ドキドキするためのツールでしかないのです。

買い手がワクワク、ドキドキしてくれたら、

きっと面倒にならずに、最後のページまで企画書を読んでくれるはずです。

 

そこまでたどり着き、

最後に「この商品いいね」じゃなく、「企画書を読んで面白かったよ」

と言ってもらえたら、あなたの勝ちです。

 

たとえ、その時は売れなくても、

きっとあなたは売れる営業マンになっていることと思います。

 

最後は金額で負けるかもしれません。

最後は商品自体が、その企業のコンセプトに合わないかもしれません。

 

それでも、ただ商品の説明や商品や会社の自慢を並べ立てるだけの

しゃらくさい企画書よりも、

ずっとずっと高いポテンシャルがあなたに培われています。

 

相手をワクワクさせようと「企てる」作業って、

楽しいですよね。

 

そうすれば

企画書を書くのって難しいよなー

って言っている人も、きっと企画書を書くのが楽しくなるので、

書いていくうちにどんどん、上手な企画書になっていきます。

 

ですから、今、企画書を書こうと思って、ググッたら、このブログにたどり着いた人、

 

今書いている企画書をとりあえず、破り捨てましょう。

徹夜になったらごめんね♪