米国発 2016年最新デジタル・マーケティング・トレンドからひも解く「統合デジタルマーケティング」とは?

米国のマーケティング企画会社「Smart Insights」はこのほど、2016年のデジタル・マーケティング・トレンドについて発表しました。

今回は同社の発表をもとに、日本語に翻訳し要約・加筆したものを掲載し、最新のデジタル・マーケティング・トレンドについて解説したいと思います。

コンテンツ・マーケティングとビッグデータへの関心が大

このグラフは、「2016年、ビジネスに最もインパクトのあるデジタル・マーケティング・アクティビティーは何か?」という質問にマーケティングのプロ約1500人が答え、2016年2月8日に発表されたものです。
Content Marketing

これを見ると、2016年も変わらず「コンテンツ・マーケティング」「ビッグデータ」「マーケティングオートメーション」「モバイルマーケティング」の4つに関心が集中しています。

「コンテンツマーケティング」は今やSEO対策の王道となり、デジタル・マーケティングにかかわる人で知らない人はいないでしょう。

「ビッグデータ」の重要性についても言わずもがなですが、ビッグデータで重要になりつつあるのは、精度よりもスピードとなってきました。

また、「マーケティングオートメーション」「モバイルマーケティング」はともに、企業のマーケティング活動をより効率的にすることが目的となっています。

そして、この4つに共通するキーワード「ソーシャルメディア」ということになるでしょう。

ですから、今年もマーケティング活動の軸はソーシャルメディアということになってきます。また、利用しているソーシャルメディアの比重については、改めて考え直す必要が出てくる年となりそうです。

これは分かりやすく言えば、これまでツイッターをメインに集客してきた企業であっても、インスタグラムに比重を移すなど、ソーシャルメディアも自社に最適なものを選ぶことになりそうです。

購買決定要因の複雑化がさらに進む

年々複雑化している「購買決定要因の複雑化」。

コンシューマーはより賢明な買い物をする傾向にあり、2016年も購買決定のプロセスが複雑化することは、どうやら間違いなさそうです。

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現代の消費者はパソコンやモバイルなどあらゆるデバイスを経由して購買を考えるため、時間がかかります。上の図は、高価値とされる自動車保険への購買決定プロセスを表していますが、購入決定までに5つの異なるサイトを9度閲覧し、34分かけて吟味して平均35日かかるとのことです。

また、オンラインを使用せずに決める人はわずか4%に留まるということでした。

モバイル利用が今年も増加

携帯電話やタブレットなどモバイル端末の利用は今年も増加します。もはや別段驚くことではありません。

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統合デジタルマーケティングの挑戦と伝統的なマーケティングのかい離が進む

統合デジタルマーケティングとは、目標を達成するためにビジネスのゴールから逆算しながら各施策やKPI(主要業績評価指標)などをセットでプランニングすること。従来のように、とにかく「口コミを広げる企画」や「CTRを上げた後に施策を考える」といった手段が先にこないようにプランニングすることを指します。

企業のマーケティングがこうした従来の手法から離脱でき、最適化できていると自負している企業はわずか7%。

マスメディア広告や実店舗での販促といったダイレクトマーケティングを個別に行うだけではなく、そうしたイベントをすべてオウンドメディアを経由して行うなど統合的にマーケティングすることが2016年の課題となると言えるでしょう。

具体的には、

購入までの検討が浅いターゲットに対しては、リターゲティングバナーなどニーズに合わせた情報を配信し、量的にアプローチしてもらうことが大切となるでしょう。

逆に、購入検討が深いターゲットに対してはメルマガなどのコアな情報で囲い込んでいくことが重要となります。

このように2016年は各企業で「統合デジタルマーケティング」への意識は高まります。

オウンドメディアでのコンテンツ策定やペルソナの設定などがしっかりしていないと、最適なUX(ユーザーエクスペリエンス)を提供できない時代となりそうです。