「30代既婚女性向け」の商品は、なぜ20代独身女性に売れる?
本稿は日豪プレスに連載中のコラムの転載です。
広告や販促物を出稿・制作したけれど、お客さんからの反応が全然ない!
なんてことがありますが、
アマチュアが作る広告や販促物は、作り方が間違っていることがほとんどです。
例えば、
1つの広告にあれこれと情報を入れたがる
ケースや
誰に向けて発信しているのかが分からない広告や販促物
というのは、反応は上がりません。
それは、
- 高い金を払って広告するのだから、極力いろんなことを宣伝したい!
- 特定の人じゃなく、いろんな人に商品やサービスを買って欲しい!
という、お客側にしたらどうでもいい
「発信者都合」
の広告になっているからです。
そこで今回は、
反応が上がる広告・販促物を作るための第一関門
「ターゲットを絞る!」
について、事例を挙げて解説します。
事例① 具体的なストーリーを描く
某大手通販会社が販売した「サポート下着」のキャッチコピーは
「出産後のぽっこりお腹が気になる30代のあなたへ」
でした。
これは明らかに
30代・女性・子持ちの人がターゲットです。
「そんなにターゲットを絞ったら、そのほかの女性に売れないじゃないか!」と思った人は残念でした。
この商品を購入した70%以上の人が「20代の独身女性」でした。
これは関西のマーケティング業界ではそこそこ有名な実話です。
ターゲットを絞るとターゲット以外には売れなくなるというのは、
間違った思い込みです。
より具体的に、
購入者の“ストーリー”を広告や販促物で伝えてあげることで、
ターゲット以外の人にもよく伝わり、結果、売上は上がるのです。
事例② 消費者の想いを反映する
僕が某専門学校の社会人コースのチラシを作っていた頃の話。
そのコースは社会人が転職や再就職のためにIT系の資格を取得するための夜間コースでした。
当時は「就職に強い資格を手に入れよう!」といったキャッチコピーに
コース内容が書かれただけのチラシで、
毎月の問い合わせ件数は一桁台。
IT系の職種は一般職よりも100万円ほど年収が高いという事実があり、
就職率が抜群に高い学校なのに、なぜか人が集まらない。
そこで、実際にリサーチしたIT系職種と一般企業の年収のグラフを掲載し、
「年収が100万円上がる資格を手に入れよう!」
というキャッチコピーを前面に出したところ、
前月9件だった問い合わせが37件に増えました。
「年収を上げたい人」にターゲットを絞ったのが奏功した例です。
彼らは転職や再就職をしたいのでもなく、学校に通いたいのでもありません。
転職の主な理由は「年収」なのですから、当然の結果なのです。
ポイントは「自分の言いたいことではなく、お客さんの知りたいことを書く」です。
ぜひ広告や販促物では、ターゲットを絞った内容にしてくださいね。
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