日本の野球人気凋落から考えるオワコン・ビジネス復活の鍵

日本野球機構(NPB)が2019年10月に発表した同年のプロ野球観客動員数は2650万人と史上最高を記録しました。

今やプロ野球はスポーツ・ビジネス界最高のドル箱と言えます。

しかし、日本高等学校野球連盟(高野連)が19年7月に発表した硬式野球部員数は前年度より9317人も少ない14万3867人と5年連続で減少しています。

そこで今回は、野球人気凋落の真相から見えてくる、オワコン(時代錯誤となった商品・サービスなど)ビジネスが復活するためのヒントについて考えたいと思います。

ビジネスもプレーヤーが減少するとオワコンに

プロ野球の観客動員数は年々右肩上がりです。

高校野球も18年の第100回大会は100万人を突破するなど、野球人気は落ちているどころか上昇中だと言う人も多いことでしょう。

しかし、ビジネスとしての野球は数年以内に危機的状況になるでしょう。

なぜなら、現在の野球人気は「見る」ものとしての人気であり、「する」ものとしての人気ではありません。

先述の通り、高校野球の部員数は右肩下がりで、毎年約1万人という驚異的なペースで減っています。

プレーヤーの減少は、球界全体が将来的に先細りすることを意味しています。

これはビジネスも同じで、働き手が不足する業界に未来はないのです。

野球の競技人口減少の原因

では、なぜ野球の競技人口は減っているのでしょうか? 

原因の1つはコスト高。

野球は道具が多数必要なことから、他のスポーツに比べてもコスト高と言えます。

少年野球でも硬式グローブは3~5万円、バットは2~3万円もします。

20年以上も賃金が上がらない日本経済にあって、他の習い事に比べてコスト高の野球はまさに敬遠の対象です。

2つ目は、野球界全体が古い組織体質から抜けられない点。

野球には日本サッカー協会のような統一団体がなく、少年野球から大学まで各世代の団体がバラバラで活動しています。

さらに、中学や高校の野球部では、坊主頭の強制や罵声指導などがいまだに横行しています。

「やってみたい!」を育てるのが鍵

このように、野球界に残る古い体質は日本の企業にも散見されるオワコン体質です。

しかし、日本の野球界もメジャーに目を向ければ、激しい競争に打ち勝ちながらも、野球を心から楽しんでいる大谷翔平選手やイチロー元選手など、素晴らしい選手を輩出してきました。

このオワコン体質から抜け出すには、子どもの頃から大きな夢を持たせ、やる気を育てることが最重要課題であることは言うまでもありません。

当然、これはビジネスにおいても同じことが言えるのです。

だとしたら、経営者のあなたがすべきことは、もうお分かりですよね!