常識人には理解できない“売れるネーミング”
ヒット商品や人気サービスを生み出す力は、商品やサービス自体の“質”もさることながら、その商品やサービスをPRするための「演出」が大切です。良質な商品やサービスを開発したとしても、それはお客さんが体感しなければ分からないのですから、そのきっかけを作るためのPRが重要なのは言うまでもありません。
その第1のきっかけを作ってくれるのが商品やサービスの“ネーミング”です。今回は、そのネーミングの付け方のコツについてのお話です。
大学などで社会心理学を学んだ人なら、1度は聞いたことのある「認知的不協和理論」は、マーケティング業界でもヒット商品を生み出すために、よく語られる理論です。
これは例えば、高い製品は良いモノだという常識がある中で、「高級ブランドの服を買ったが、着心地がとても悪かった」などというストレスを抱えた時に、「いや、着心地は悪いが、この服は(着なくても)持っているだけで自慢できる」などと自らその矛盾点を解消してしまう心理の働きを指す理論です。
つまり、「人は、自分の判断が正しかったと思うために、都合のいい理由を探して結論づけてしまう」ということです。
さて、この「認知的不協和理論」をいかにネーミングに利用するのかというと、「人は矛盾した出来事に出会うと、都合のいい理由を勝手に探してしまうほど、異常に反応してしまう」という点に着目することです。
つまり、不協和な状態を作り上げることが重要です。分かりやすく言えば「え!? どういうこと?」と思わせる、A⇔Bの矛盾状態を作ることが大事ということです。
ここにいくつか、ヒット商品のネーミングを挙げてみます。
(映画)バック・トゥ・ザ・フューチャー
(書籍)食べるダイエット
(映画)明日の記憶
(書籍)大往生したけりゃ医療とかかわるな
(サービス)離婚式
(食品)食べるラー油
このように、「ん!?」と思わせることが購入への第1歩です。常識に凝り固まった人には、なかなか理解されないのですが、常識通りに販促をしても、現代のようにモノがあふれた時代では、お客さんはあなたのお店で購入しなくても、他店で同じようなサービスや商品をいくらでも購入できます。
ですから、常識から1歩足を踏み出す勇気がなければ、「どこにでもある商品・サービス」ということでスルーされてしまうんですね。だからこそ、「認知的不協和理論」を使うことで販売のチャンスが広がるのです。
最近の投稿