褒め言葉より悪口の方が気になる ー バラードの法則

  • いい文章(コピー)を書きたいけど…って困っている時のブログ

先日、地下鉄御堂筋線に乗っていたら、

あからさまにチンピラ風の若い2人組が乗ってきたんですね。

なにやら自分の武勇伝のようなことを話していて
(よい子のみんなは、車内では静かにしましょう)、

なんか車内は嫌な空気が流れてるわけです。

でもって、

僕が降りる「梅田駅」でその2人も降りたんですよ。

それから数時間後、

僕は用事が済んで、

また梅田駅で御堂筋線に乗り込んだら、

駆け込み乗車をする2人組がいるわけです。

駆け込み乗車は危険ですよ!

なんて思って、

ふと見ると、、、、

またしてもさっきのチンピラ風の2人じゃぁありませんか!

1日240万人が利用する巨大ターミナルで、

いかにも一般人ではない彼らに2度も出会うなんて、、、

なんだか、ヘンな縁を感じてしまいました。


バラードの法則


と、年末のよくある(?)ひとコマの話はおいといて。

いよいよ今年も残すところ、あと4日となりました!

今年は東日本大震災、福島第一原発事故など

未曾有の災害(プラス人災)に見舞われるという

一生忘れることのできない1年となりました。

そのほかにも、欧州危機やアラブの春など、

いろいろな意味で価値観や既成概念が「壊れる」1年でもありました。

世界中に閉塞感が広がり、

このまま地球は、どうなっちゃうの?

と、ブルーな気持ちを引きずったまま

2011年という年が幕を閉じようとしています。

そんな時は、

明るく、前向きな気持ちを持とう!

なんて、広告業界では

ポジティブで前向きなコピーがもてはやされるのですが、

ポジティブばかりがいいコピーではありません。

人の感情が揺さぶられるのは、

実はネガティブなイメージの方だったりもするんですね。

これを

バラードの法則

といいます(僕が勝手に呼んでるだけですが)。

分かりやすくいうと、

  • 人は褒め言葉より悪口の方が気になる
  • 人は美談よりもスキャンダルを読みたくなる
  • 人は正義よりも悪に対して神経を使う

といった、人間の心理を踏まえてコピーを書く法則です。

これは音楽でもよく表れています。

例えば、アップテンポなアゲアゲの楽曲よりも

バラードの方が「売れる」という法則です。

個人差はあるものの、

ハッピーな気分を歌うよりも

切ない気持ちを歌う曲の方が支持される傾向があるんですね。

年末なので、ちょうどいい例があります。

このリンクはレコード大賞の過去の受賞曲なのですが、

これを見てもバラードが圧倒的に多いんですね。

ポジティブなコピーを使っていて、

アクセスが上がらないサイトやレスポンスが低いと感じている人は、

一度「バラードの法則」を試してみるといいかと思います。

いいですか?

ただ単純にネガティブなイメージをコピーにするわけではありませんよ。

表現方法はバラードの曲と同じで、

「切ないんだけど力強く生きる」とか

「悲しいけど前向きになる」みたいなイメージでつくることがポイントです。

例えば、

進学塾なら

「できないから、伸びるんだ!」

目薬なら

「カラダのことは想うのに、私の眼には愛が足りない」

とか、

ちょっと切ないという気持ちを

素直に表現するとコピーに艶が出てきますよ。

そもそも、

明るくて、元気いっぱいで、常にポジティブ!

っていう人は少数派ではないでしょうか。

それに、いいことばかりを語る広告は

あまり信用できないというのが人間の心理です。

いいときもあれば、悪いときもある。

流れに流されず、流れに乗ることが大切です。